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図面なしでもOK!サンプルから始める押出成形の進め方

はじめに

「この形状、押出で再現できますか?」

私たちが日々いただくお問い合わせの中でも、図面がない状態から始まるご相談は決して珍しくありません。むしろ「サンプルしか手元にない」「以前作っていたものと同じものを作りたい」というお客様の方が、初期段階での情報整理や試作の壁に悩まれている印象です。

本コラムでは、図面や3Dデータがなくてもスタートできる押出成形開発の流れについて、実際のフローやポイントをわかりやすく解説します。

1. サンプルから押出成形品を再現する流れ

1-1. お客様からの支給物

まずは「サンプル(既存品)」をご支給いただきます。これには次のようなパターンがあります。

  • 廃番になった製品の部品
  • 既に使用していた既製品
  • 射出・プレス品など、他工法で作られていたもの

できれば複数本・複数断面を確認できる状態がベストです。

1-2. 寸法測定・断面採取

サンプルの断面は、ノギスや投影機、画像測定機などを用いて測定します。 当社では異形断面の再現ノウハウを活かし、断面形状・肉厚・機能構造を読み解きます。

1-3. CAD化・設計対応

寸法データをもとに、まずは押出製品の断面図をCAD化します。この段階で押出成形に適した断面構造をご提案します。

1-4. 見積・ご発注 → 試作押出 → 評価・調整

金型設計が完了後、お見積書をご提出し、ご発注を確認してから金型の製作および試作押出に進みます。

  • 寸法精度
  • 外観
  • 組付け性

などを評価し、必要に応じて金型修正や成形条件の調整を行い、量産可能な状態へ仕上げていきます。必要に応じてダイ修正や条件変更を行い、量産対応可能な形状へ仕上げていきます。

2. 図面なし案件に対応できる理由

2-1. 断面形状の“再現力”

押出成形では断面がすべてです。経験の浅いメーカーでは、サンプルを渡しても適切な断面設計ができないケースもあります。

当社ではこれまでに2,000型以上の金型製作実績があり、「多層構造」「中空形状」などの複雑形状も数多く対応してきました。

2-2. 材料選定のノウハウ

サンプルがゴムやプレス材だった場合、「そのまま押出に置き換えられるのか?」という不安を持たれる方も多いです。当社ではTPE、TPV、PVC、PP、ABSなど多種多様な材料に対応しており、機能・見た目・コストのバランスを踏まえた提案が可能です。

押出成形.COM「異形押出成形」

2-3. 試作〜量産の一貫対応

「とりあえず形にしてから量産検討したい」というお客様にも、試作金型からそのまま量産に移行できる設計で対応可能です。

3. サンプル支給から製品化した実例

3-1. 建材用フレーム部品

使用していた部品をサンプル支給いただき、断面再現 → 材料置き換え → 成形条件確立 → 量産対応。引取頻度や色替えにも柔軟に対応。

3-2. 自動車内装部品

ゴム製品の置き換え案件。寸法安定性と反発性を両立するTPE材を選定。金型立ち上げと同時にクリップ挿入加工まで対応した例もあり。

4. まとめ

図面がないからといって、押出成形の相談をあきらめる必要はありません。

  • サンプルや簡易スケッチがあればスタート可能
  • 材料や成形方法の置き換えも提案可能
  • 試作〜量産までワンストップ対応

まずは、「この部品って押出でできる?」「試作っていくらから?」という段階でも構いません。

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