押出成形は、製品を効率的に製造するための重要なプロセスです。このプロセスにおいて、金型は製品の品質や形状を決定する重要な役割を果たします。この記事では、押出成形における金型の役割と種類について詳しく説明します。
押出成形では、ところてんのように原料を押出機で溶かして押出金型の形状に押し出します。そのため、押し出された製品のどこを垂直に切っても断面は同じ形状になります。つまり、押出成形で作られる製品の形は、金型の形によって決まるのです。
金型にずれが生じると、成形の精度が低下します。さらに、金型と押出機から、成形品が押しだされる部分への樹脂の目ヤニの付着。金型自体の傷や、焦げなどが成形品表面に筋が生じる原因となるため、 常にメンテナンスが必要です。
①高精度設計
金型は製品の最終形状と寸法を決定するため、高い精度で設計・設置されなければなりません。不正確な金型は、製品の寸法誤差や品質問題を引き起こす可能性があります。
②耐久性
押出成形は高温・高圧の条件下で行われるため、金型には優れた耐久性が求められます。耐久性の高い金型を使用することで、長期間にわたり高品質な製品を製造できます。
③熱伝導性
金型の材料は、優れた熱伝導性を持つ必要があります。これにより、材料の溶融や冷却が効率的に行われ、製品の表面品質が向上します。
④メンテナンスの容易さ
金型は定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスを怠ると金型の傷や錆びが起きたり、焦げが付いたままだと成形品の不良につながってしまいます。そのためメンテナンスの容易さは、製造プロセスの効率化と金型の寿命延長につながります。
押出成形に使用される金型には、いくつかの種類があります。それぞれの種類は、特定の製品形状や用途に対応するために設計されています。
可変金型
可変金型は、調整可能なパーツを持ち、複数の製品形状に対応できる金型です。生産の柔軟性が高く、さまざまな製品を製造する際に便利です。
共押出金型
共押出金型は、複数の材料を同時に押し出すための金型です。多層構造の製品や複合材料の製品を製造する際に使用されます。
異形押出金型
異形押出金型は、複雑な断面形状を持つ製品の成形に使用されます。例えば、「コ」字型や「ヨ」字型などの特殊な形状のパイプやプロファイルを製造する際に利用されます。
Tダイ金型
Tダイ金型は、シートやフィルムの成形に特化した金型です。T字型のダイから材料を押し出すことで、薄いシート状やフィルム状の製品を製造します。
押出成形における金型は、製品の形状、寸法、品質を決定するとても重要な要素です。高精度で耐久性のある金型を使用することで、製品の品質が向上し、生産効率が高まります。また、金型の種類によって、さまざまな形状や特性を持つ製品を製造することが可能です。適切な金型の設計と使用は、押出成形の成功に欠かせません。高品質な製品を安定して供給するための基盤となります。
当社では、金型を完全内製することで、お客様のニーズに迅速かつ柔軟に対応できます。また、内製による一貫管理により、高い品質とコスト削減を実現しています。大型、複雑な形状を有した金型は要素ごとに分割製造することで、対象箇所のみを保守・メンテナンスすることが可能となり、スピーディかつ安価に金型の品質を維持することが可能です。
過去2000型にも及ぶ実績により培われた技術力でご要望に応じた試作金型の対応や、短納期対応にもお応えしますのでお気軽にご相談ください。
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